お米にヒビが入る胴割れ米の原因!夏の異常な高温を防ぐための水管理対策

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米づくり

お米を収穫した時、精米するとき、あるいは食べるときに米粒が割れていた経験はありませんか。特に胴割れ米の問題は、歩留まりを下げるだけでなく食味や見た目にも大きな影響を与えます。では、なぜ胴割れが発生するのか、そして夏場の高温がどのように関与し、それをどうやって防ぐのか。この記事では、原因の解明から具体的な対策まで、水管理を中心に農家の現場で役立つ方法を詳しく解説します。最新情報にもとづいて、品質の良いお米作りを支えるヒントが満載です。

胴割れ米 原因 高温 対策

まず、胴割れ米とは何か、その原因として高温がどう作用するかを明らかにします。

胴割れ米とは何か

胴割れ米は、米粒の胚乳部分に亀裂が入る現象で、精米時に砕米が多発するため歩留まりが低下します。炊飯時の食感や外観にも影響し、見た目や口当たり、粘り気が悪くなることがあります。通常、米粒が乾燥して硬くなった状態で急激に水分を吸収したり、逆に外部からの湿度変化などで収縮・膨張を繰り返すことで内部に応力が生じて亀裂が入ることが原因とされています。

高温が胴割れに及ぼす影響

特に出穂後の登熟初期(概ね出穂後10日間)が高温になると、胴割れが増えることが確認されています。日中の最高気温だけでなく、夜温やその変化幅も関与します。出穂後6~10日の期間に35℃前後の高温に晒されると、米粒内でデンプンの固まり方や含水率の変化が不均一になりやすく、胴割れのリスクが高まります。

歩み寄りな要因:乾燥・刈り遅れ

高温だけでなく、乾燥過程が急激なものや刈り取りが遅れ、籾(もみ)や玄米の含水率が過度に低下している状態が背景にあると胴割れが発生しやすくなります。収穫後の乾燥調製時に乾燥速度が速すぎると、内部と表面で水分の変化差が大きくなり、ひび割れが入りやすいとされています。

登熟初期の高温に対する作期・育成管理

登熟初期の高温回避は胴割れ対策の基本です。具体的な作期調整や育成管理について説明します。

作期の選定と移植時期の調整

高温が予想される季節に出穂を迎えないよう、移植時期を少し遅らせることで登熟初期の気温を下げることが可能です。地域の気候パターンを把握し、気温がピークになる時期を避けることで、出穂後10日間の高温の影響を軽減できます。

品種選びと品種間差異の把握

種類によって胴割れしにくいものがあります。例えば粒厚が厚いものや登熟が遅い品種が胴割れ率が低いという報告があります。栽培者は、自身の地域の気候にあった品種を選ぶことでリスクを減らせます。

葉色および栄養管理の維持

登熟期間中の葉の健康(葉色)が悪くなると、胴割れが増える傾向があります。これは作物の栄養が不足し、デンプンやたんぱく質の生成が正常に行われないためです。穂肥などを適期に施すことが重要で、葉色を極端に落とさないように育成管理を行う必要があります。

水管理による胴割れ対策

水管理は胴割れ対策において非常に重要な役割を果たします。登熟初期の水の使い方や乾湿調整、稲体への影響を含めた管理法を解説します。

登熟初期のかけ流し水管理

出穂後10日間あるいは20日間、田んぼに水を流し続ける(かけ流し)の方法が有効です。これにより地温が下がり、米粒内部の温度変動が緩和されます。結果として、胴割れの発生率を低く抑えることが確認されています。

落水のタイミングと含水率の維持

田んぼの水を落とす時期を早めすぎると、籾や玄米の含水率が低下し、胴割れ率を高めます。適切な落水時期の設定と含水率のモニタリングが重要です。含水率が低すぎると夜間の湿気や朝の露などで急に水分を吸収して割れることがあります。

乾燥調製時のスピードと方法の注意

収穫後の乾燥調製で急激に乾燥させることは米粒表面と中心部の水分差を大きくし、応力が内部に生じやすくなります。徐々に乾燥させる方法や吸湿処理を設けることで、胴割れのリスクを減らせます。

気象・環境要因と対策

気象や環境の変化も胴割れ米の発生に深く関係しています。それらを理解し、環境に応じて対策を講じましょう。

気温変動と日最高気温の制御

日中の最高気温が登熟期において30度後半から35度を超えるような日は、胴割れが増加する傾向があります。風通しをよくする、水面を冷やす施工などで気温を間接的に下げられれば効果的です。夜温もある程度影響するので、昼夜の温度差を小さくする工夫が求められます。

土壌の種類と地温の関係

土壌の質によって、地温の上がりやすさが変わります。礫質土壌や粗粒質土壌では地温が上がりやすく、胴割れ粒率が高くなることがあります。土壌改良や有機物の投入で地表温度および地中温度の急激な変動を抑えることができます。

作物の被覆と周囲環境の操作

稲の葉での被覆を意図的に保つ、水面近くに浮かせた栽培用マットや水の表面反射を利用した方法など、日射や地温の過度な上昇を抑える環境操作が有効です。周囲環境の風や雲の影響を想定した灌漑ラインや水位制御も検討されます。

収穫・乾燥・収穫後の処理による対策

胴割れ米は作物の育成期だけでなく、収穫以降の処理にも大きく影響されます。収穫・乾燥・保管・精米の各段階での注意点を説明します。

適期刈り取りの実践

稲の熟度が十分でないうちや熟し過ぎてからの刈り取りどちらも問題があります。熟しすぎると含水率が過度に低下し、胴割れしやすくなります。適切な時期で刈り取りを行うことが品質維持のための基本です。

乾燥速度の管理と乾燥設備の選び方

乾燥時の温度上昇を抑えるため、段階乾燥や温度を段階的に上げる方式が望まれます。高温の風を長時間当てることや、一気に乾燥させることは避けることが望ましいです。設備の性能や風量・温度制御が可能なものを選ぶと良いでしょう。

保管時の湿度・温度管理

米粒が乾燥した状態で保管中に湿度が高くなると吸湿し、また温度が環境によって変動すると胴割れを助長します。一定温度、一定湿度を維持する倉庫を使用し、激しい温湿度変動を避けることが望まれます。

品種・育種面で取り入れたい対策

栽培技術だけでなく、品種選びや育種研究の成果を導入することで、胴割れを根本的に抑える可能性があります。現場でできる範囲から育種の観点も取り入れましょう。

胴割れ耐性の品種を選ぶ

品種間で胴割れしやすさに大きな差があります。登熟が遅い品種や粒厚が厚くても胴割れしにくいものがあり、これらを選ぶことで発生率を抑えられます。育種研究でも胴割れ耐性を評価するものがあり、現地試験で実績のある品種を選定することが賢明です。

育種による耐性強化の可能性

育種研究において胴割れ発生の形質と遺伝間の関連が調べられています。たとえば出穂から成熟までの期間、穂端部の粒厚、登熟期の気温感受性などが評価され、これらを組み込んだ育種が進んでいます。長期的にはこのような品種改良が強力な武器となります。

複合的作付体系との組み合わせ

複数の品種を混植する、作付け時期をずらしてリスク分散するなどの体系を取り入れることで、1品種だけに起きる極端な環境リスクを軽減できます。これにより、たとえ高温気候の年でも全体の品質低下を抑えやすくなります。

まとめ

胴割れ米は、米粒の内部亀裂により歩留まり・見た目・食味を大きく損なう問題です。特に、登熟初期の高温—which includes the first 10日間 after 出穂—が最も重要な原因であり、乾燥や収穫後の管理、品種選びも含めた総合的な対策が求められます。

主な対策としては以下の点が挙げられます:

  • 移植時期や作期を調整し登熟初期の高温を避けること
  • 登熟初期のかけ流し水管理で地温を抑え、含水率を安定させること
  • 適期刈り取りと徐々に乾燥させる乾燥管理によって乾燥ストレスを軽減すること
  • 葉色を維持する栄養管理、肥効持続の施肥
  • 胴割れ耐性のある品種を選び、育種の成果を取り入れること
  • 保管・乾燥後の湿度温度の管理によって収穫後の割れを防ぐこと

これらを組み合わせて実践することで、夏の異常な高温が頻発する中でも、胴割れ米の発生を大幅に抑えることが可能です。品質を守りつつ農家の収益性を高めるために、本記事の水管理を中心とした対策を参考にして下さい。

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